これまでの長い間、骨形成不全症は原因不明で治療法がないとされてきました。
最近の遺伝子技術や新薬開発の進歩により、原因の研究(それに基づく治療法の研究)や新薬についての進歩が期待されています。
しかし治療法の確立までは、解明しなければならない事柄や新技術の開発など山積していて、直ちに実現は無理な様です。
私たちは一日も早くその日が来ることを「ただ待つだけ」でなく、今でも出来ることで努力をしたいと考えています。

これまでOI児者や家族、医療関係者が経験したことを情報として残し、後進の仲間に伝えること。研究が進むにつれて解明されてきた骨形成不全症に関する情報をOI児者や家族、医療関係者及び研究者で共有すること。

この趣旨のもと下記のOIグッズが作成されました。

『骨形成不全症と共に』
~Living With Osteogenesis Imperfecta~ A Guidebook for Families

監修:心身障害児総合医療療育センター整肢療護園 園長 君塚 葵
(価格3000円・送料800円)

価格3000円
送料800円

 米国の骨形成不全症協会(OIF)が、総力をあげて作成した「家族向け」のガイドブックです。ネットワークOI(特定非営利活動法人 骨形成不全症協会)が、OIFから翻訳・出版の許可を得て翻訳し、君塚先生に監修をお願いして出版したものです。
 それぞれの章を(米国の)専門家や経験者が分担して執筆し、監修をお願いした君塚先生からも「とても奥の深い本ですね。患者さん・ご家族に限らず、骨形成不全症に関わるすべての人に読んで頂きたい本ですね」とのコメントを戴きました。
 その主な内容を目次から紹介すると…

第1編 医学的なことがら
第1章骨形成不全症の基礎
第2章出世前カウンセリングと診断
第3章妊娠と骨形成不全症
第4章骨形成不全症児の健康的な食事法
第5章リハビリテーション、理学療法、装具と骨形成不全症の子供
第6章歯牙形成不全と他の歯の問題
第7章骨形成不全症の聴力障害
第8章骨形成不全症の脊椎変形
第9章骨形成不全症の人々の除痛選択肢
第10章髄内釘手術を正確に行うために
第11章骨形成不全症の他の合併症
第12章数十年間にわたる骨形成不全症の研究や医療に対する考え方
第2編 教育及び社会的なことがら
第13章骨形成不全症児を抱える家族の心理
第14章自我の確立のための要因
第15章骨形成不全症児の人間関係 (思春期の恋愛そして性)
第16章骨形成不全症の幼児期と青年期の教育
第17章幼児虐待 ~微妙な問題~
第18章軽症の方の特徴
第19章生活の自立
第20章将来計画
第3編 日々『骨形成不全症と共に』暮らすために
第21章重度の骨形成不全症 ~生後1週目
第22章骨形成不全症幼児の扱い上での要点
第23章骨、骨折と応急処置
第24章骨折とギブスの介護
第25章骨形成不全症児者の為の身体の活動と運動のガイドライン
第26章骨形成不全症児のためのおもちゃと遊具
第27章テーラー仕立てのジレンマ
第28章適応された用具や環境
第29章骨形成不全症と楽しい旅行
第30章米国・骨形成不全症協会(Osteogenesis Imperfecta Foundation, Inc.)
付 録 ネットワークOI(特定非営利活動法人 骨形成不全症協会)

 02年7月に米国フロリダ州オーランドで開催されたOIFのカンファレンスに、98年のカンファレンス以来2度目の参加をしました。そこで開かれた「医療講演会」を聞いていたら、専門医の講演の後OI児お母さんが質問していました。内容が解らないので…同行して戴いた先生にお聞きしたら「OIについて、とても勉強していますね。でないとあの質問はできません。」と話されていました。
 以前より「自分の身体のことだから知らないといけない」などと言われましたが、私たちがOIの情報を知り・学ぶことで、不明のことを医師に聞くと(ここだけの話ですが…)「いい加減な対応ができなくなり…」先生方の目を骨形成不全症に向けて戴くキッカケにもなります。

 是非この1冊を精読し、あなたも骨形成不全症の専門家(?)になりましょう!

申込方法

 代金引換:メールにて事務局宛に下記の事項をお知らせください。

  1. 郵便番号
  2. 住所
  3. 氏名
  4. 電話番号
  5. 本の冊数

商品到着時の代金は (1冊3000円)×注文冊数+送料800円(5冊まで)となります。

『OI手帳』

 OI手帳作成の発端は、最近社会問題化している「幼児虐待」との関連がありました。

 「些細な理由で骨折する」OI児にとっては(残念ですが)「よくある話」です。

 日頃その子を診ている主治医はすぐに対応して頂けますが、(出先での骨折などで)OI児者の診察の経験のない医師に遭遇(?)すると… 時として「幼児虐待の嫌疑」を受けることがあるようです。調べて貰えば解ることですが、OI児の保護者として「一時的にしろ嫌疑を受けたこと」自体が、例えようもないショックです。これを防止するため「外出時には主治医の診断書を持参しよう」と、ある母さんの意見が会報に掲載されました。

 しかし「診断書はすぐにボロボロになってしまうし、他の患者会さんでは独自のファイル・ノートを作成しています」とのアドバイスを受け、当然「どうせ作るのならば、良いものを作りたい」と考えるようになり、OIに詳しい各科の医師や医療・福祉関係の方たちの間を飛び回り、ご協力を戴き充実したOI手帳を発行できることになりました。

 その一部を紹介すると…

 骨形成不全症 (OI)は「骨が弱い (骨折し易い)」ことを主な症状とする、稀な骨の病気です。原因は、体内の結合組織 (Ⅰ型コラーゲン)に関する遺伝情報が、本来の機能を果たさない事によります。その為に「骨が弱い」だけでなく、青色強膜・難聴・歯牙形成不全・呼吸器系・循環器系の疾患など、様々な症状が伴う場合が良く見受けられます。
 他の診療科を受診する際、必ずと言って良いほど聞かれる言葉は「××科の先生は、何て話しています?」です。当事者として「体調の悪い時、正確に対応出来るか?」「大切な事を忘れたりしないか?」と診察を受けるたび不安になります。
 また成長するにつれて、骨折の回数・状況などの記憶も薄れてしまいます。併せて保育園や学校などで、新たに本人(OI児者)と関わられる方に本人の状態をより正確に把握して頂く事も出来ます。
この度、厚生省科学研究班・主任研究員 (心身障害児総合医療療育センター・整形外科) 城良二医師、東京大学医学部耳鼻咽喉科 加我教授及び神奈川県立こども医療センター歯科グリーナンせつゑ医師をはじめ多くの医療関係の方々のご支援・ご協力を戴きOI手帳を作成致しました。
 ご多忙のところ、余計な手数をお掛けし誠に恐縮ですがOI手帳作成の趣旨にご理解たまわり、記入にご協力下さいますよう、お願い申し上げます。 なお、今後より良いOI手帳に育てるため、ご利用いただきまして、お気付きの点などございましたら、是非お教え戴きますよう併せてお願い申し上げます。

「OI手帳・記入ご協力のお願い」より


―ご挨拶―

 この度は、OI手帳ができましたこと心からお喜び申し上げます。
 作成に尽力された会長はじめ諸兄のご努力に敬意を表します。また、このOI手帳の作成に参加できますことを大変感謝するとともに、医療関係者としての責任の重大さを痛感しています。
 この手帳には、大きく二つの役割があると思います。一つは、患者・家族と医療・福祉関係者とのコミュニケーションがとりやすくなることです。OIが比較的まれな病気であるため、治療側にも治療経験が少ない場合があります。本来医療関係者は、患者さんとともに診療に当たりながら、次第にその人に合った治療法が行えるようになるものです。そのためにも、この手帳により患者さんの情報を正しく知り、スムーズに治療が行えることが期待されます。
 もう一つは、患者さん自身が自分のからだについて知ることです。身長は伸びているのか縮んでいるのか、骨折の回数は減っているのか、これまでの骨折の原因、治療はどうやったのか。過去の記憶はとかく曖昧になりやすいものです。この手帳に記入しながら、自分のからだについて知り、自分で治療法を選択する、そんな治療の主体になって欲しいと思います。

診療を担当される先生方へ
 骨形成不全症は、Ⅰ型コラーゲンの遺伝子異常を基盤とする全身性結合織疾患です。骨折を主訴としますが、歯牙形成不全や難聴や呼吸循環器障害なども合併することがあります。患者により症状は多様で骨折のし易さ、変形の程度、移動能力も多様です。今回、このような手帳ができ、患者それぞれの状態をより詳しく正確に把握できるようになると思います。この手帳が、今後診療の一助になるために、診療された先生方に、簡単な所見を記入して頂けますようにお願い申し上げます。

厚生省科学研究・主任研究員
心身障害児総合医療療育センター・整形外科
城 良二

価格2500円
送料800円
※最近急増している幼児虐待との関係もあり(正会員として)新たに入会手続きをされたOIの方に限り、(当面在庫がなくなるまで…ですが)贈呈させて頂きます。